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ニューロ ストレス ラボ
ストレスとは?
ストレスとは本来、 Fight or Flight (戦うか逃げるか)という緊急事態の反応です。野生に生きる動物にとっては身を守るための大切な反応です。例えばサバンナでシマウマがライオンに遭遇すると一目散に逃げる。身に危険が迫ると脳が荒い情報処理を行い、瞬時に全身を奮い立たせて生命を守るための行動をとります。
これが現代社会ともなると、私たちは経済的問題や家族問題を含めた様々なストレスに曝され、毎日が緊急事態と化しています。
ストレス源やストレスを増幅する要因には、戦争、難民、社会不安、虐待、家庭内暴力、無関心、いじめ、失業、経済的困窮、低報酬、高い税金、騒音、振動、暴行、外傷、手術など精神的、肉体的なものが挙げられます。
このストレスに対し私たちは、全身のリソース(予備力)を使って日々の対応を迫られます。
そして消耗したリソースは、良質な睡眠により十分に回復されます。だからこそ翌日も再び活き活きと過ごすことができるのです。
ところがストレス過多の状態で十分に回復できないでい状態が続くと、やがてストレスの負債による慢性ストレスからエイジングが進み、ついには様々な病気の引き金を引くことになります。
慢性ストレスはセロトニンという気持ちを鎮める脳内神経伝達物質の合成量を減少させる原因の1つです。セロトニンと、気持ちを昂らせる神経伝達物質のノルアドレナリンとのバランスが崩れると、うつ状態や不眠など心身に症状が現れます。
しかし慢性ストレスの影響はこれだけに留まらず、私たちのからだを維持するのに重要な様々なホルモンにも影響を及ぼします。
例えば脳の中の視床下部から出る命令は、下垂体を通じて副腎に作用しますが、この視床下部ー下垂体ー副腎の軸にも影響を及ぼし、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の分泌を高めます。副腎もホルモンを常に分泌し続けると疲労してしまい、やがて燃え尽きたように分泌量が減り、ついにはベッドからさえ起きられない状態になってしまいます。
さらに精巣や卵巣への血流も減少させるので、性ホルモンの分泌も悪くなり、性欲が無くなるばかりか、精子数の減少や卵巣機能の低下なども加わって不妊の原因ともなります。
慢性ストレスは免疫系にも悪影響を及ぼしますので、最悪の場合、がんにすら罹りかねません。
自殺という最悪な結末は、何としても回避しなければなりません。OECD加盟国中で日本の自殺者はとても多いのです。
だからこそ日常生活でのストレスとその回復の状態を科学的な手法で知り、ライフスタイルを変えることはまさにアンチエイジングであり、生涯にわたってご自身の本来のパフォーマンスを十二分に発揮し続けることにつながるのです。
ストレスで食べて肥満になる理由
ストレスでは、相対的にセロトニンがノルアドレナリンに比べて不足気味になります。相対的にと記載した理由は、セロトニンは通常量でノルアドレナリン過多かもしれないし、ノルアドレナリンが通常量であるにもかかわらず、セロトニンが低下しているかもしれないの2通りがあるからです。
いずれにせよバランスを失いセロトニンが不足状態であると、
脳内にセロトニンの元になるトリプトファンというアミノ酸を取り込もうとします。
その際にインスリンというホルモンの存在で取り込みが促進されるのですが、
インスリンを高めるためには糖質を食べるのが手っ取り早く、
したがって自然に甘いものが恋しくなるのです。
さらにインスリンには脂肪細胞を刺激して、エネルギーを蓄えようとする性質もあります。
したがって体に脂肪も付くことになっていきます。
特にセロトニンの減少は、
ストレスだけではなくホルモンや炎症などによっても起こります。
そのため、ストレスへの対応も重要ですが、
諸検査により、しっかりと原因を見極め、
神経伝達物質のバランスも検査で確認することが大切です。
そして原因を修正することと
過不足のバランスを薬剤ではない方法で回復することも、
肥満対策には重要なのではないでしょうか?
ストレスで物忘れとなる理由
ストレスでの身体反応の1つは、コルチゾールという抗ストレスホルモンが脳からの指令で副腎より出ることです。
このコルチゾールには2面性があり、少量ではストレスから体を守ってくれるのですが、
慢性ストレスで高い濃度のコルチゾールが持続的に放出されると、
脳の海馬という領域が縮小してしまいます。
海馬はメモリー領域です。縮小した海馬では記憶できなくなるため物忘れになるのです。
うつで物忘れがおこるのも同じ理由です。
しかも海馬の萎縮で将来にアルツハイマー型認知症になる確率も高まります。
したがって戻せるうちに、これらの回復を図っていかなければなりません。
なぜドイツでは3ヶ月でうつ状態を改善しようと試みるのか?
病気で失う人生の時間(DALY)を様々な病気で比較すると、うつが最も貴重な人生を奪うことが理解できます。抗不安薬などの薬を飲んだとしても、モノトーンの人生を過ごさなければなりません。
あるいは薬を止めようと試みても、離脱症状に悩まされることにもなりかねません。
うつは病気ではなく、うつ状態です。
ストレスをマネジメントし、心身の状態を整えることにより改善するからこそ、ドイツではできるだけ早く改善してしまおうと取り組まれているのです。
ストレスはこんなにも貴重な人生を奪う
症状名 | 喪失年数 |
うつ | 9,8年 |
虚血性心疾患 | 5,9年 |
認知症 | 5,8年 |
アル中 | 4,7年 |
糖尿病 | 4,5年 |
脳血管疾患 | 4,5年 |
聴力の喪失(成人での発症) | 4,1年 |
呼吸器がん | 3,0年 |
骨関節炎 | 2,9年 |
COPD | 2,5年 |
DALY (disability-adjusted life year)
病気を抱えながら過ごす不自由な期間と、病気によって命が縮んだ期間を合計したもの。
アンチエイジングと病気の予防に、自律神経をモニターして、ストレスを評価しましょう!
自律神経には、アクティブモードの交感神経と、リラックスモードの副交感神経の2つがあります。日常生活でのストレスとその回復の状態は、この自律神経の活動をモニタリングすることで客観的に知ることができます。生涯にわたってあなたの本来のパフォーマンスを十二分に発揮し続けるためには、日々の活動を見直し、十分な休息を取るところから始まります。
方法は簡単
モニター機器の装着
小型のモニター機器をご自身で装着します。防水仕様ではないため入浴時には取り外して下さい。普段通りのライフスタイルでお過ごし下さい。
機器の回収とデータの転送
記録を終えたモニター機器を回収し、簡単な問診結果と共にデータを外部機関で分析します。
結果の解説(後日)
色分けして表示されるストレスと回復のチャート。ストレス(赤)、回復(緑)、身体活動(青)の他、下部に勤務と睡眠の時間が表示されます。バーの高さは、ストレスや回復の強度を示します。
クリニックでのごく短時間での自律神経検査は、不安定な結果です。被検者がおかれた状況により、自律神経が普段の状況と大きく異なります。
そこで当院のドイツ式ストレス検査は、日数をかけて普段通りの自律神経を評価します。
長時間の自律神経検査こそが、あなたの日毎の、あるいは昼夜のストレスとリラックスの程度を正確にモニターできます。
神経伝達物質検査とホルモン検査で、ストレスを評価
こころ(気持ちや感情、心のあり方)をつかさどるのが脳内神経伝達物質です。脳内には、セロトニン・GABAなど気持ちを鎮める脳内神経伝達物質と、
気持ちを昂らせる神経伝達物質であるドパミン・ノルアドレナリン・グルタミン酸などが存在し、
互いに上手にバラ ンスをとっています。
長期にわたる慢性ストレスやホルモンバランスの乱れは、脳の機能や形態に変化をもたらします。
そこに遺伝子多型による個人差が加わると、神経伝達物質 はさらに乱れ、不眠、イライラ、うつ、不安などの症状を悪化させます。
ストレスマネジ メントに加え、食事や栄養素、腸内環境、遺伝子発現など様々な要因を整えながら、
種々の神経伝達物質のバランスが適正になるように調整していきます。
当院では、尿検査で神経伝達物質を測定しています。
遺伝子検査
ヒトの遺伝子は多様です。その遺伝子に優劣はありませんが、
ストレスを苦手とする遺伝子があるのも事実です。
例えばCOMTやMTHFRは個別医療の中では特に注意しておくべき遺伝子多型です。
さらに性差も加わって、パフォーマンスに大きな影響を与えます。
ストレスを苦手とする遺伝子があるのも事実です。
例えばCOMTやMTHFRは個別医療の中では特に注意しておくべき遺伝子多型です。
さらに性差も加わって、パフォーマンスに大きな影響を与えます。
ストレスをマネージメントして、最高の人生を!
これまでに数多くの仕事の経験を積んで上司や部下からの信任も厚く、しかも会社や組織で極めて重要な地位にあるあなたが、もし不調を感じて、本来のパフォーマンスを発揮できないでいるとしたら。これまでに大切なご家族を支えて充実した日々を送ってきたあなたが、ふとした事をきっかけに不調を感じ、本来のパフォーマンスを発揮できないでいるとしたら。
それはあなたやあなたの家族だけでなく、会社や組織、そして社会にとっても大きなマイナスとなります。
欠かす事の出来ない要職になればなるほど、あなたにかかるストレスも相応に大きくなります。特に女性は女性ホルモンの変化と相まって、慢性ストレスがこころに大きな変調をもたらします。
ストレスマネージメントは運動や食事と並んで、健康なからだやこころを創り、並み居るライバルに水をあけます。
そしてこころが満ちてゆく瞬間を感じるとる、まさに本来の自分に戻るのです。
実例
43歳、男性、BMI 23,5。 仕事を終えた後に健康を気遣い運動するも、運動強度が強過ぎてストレス状態が継続している。晩酌の影響も加わり、睡眠をとっても回復せずに翌日にまでストレスを持ち越している。
過度の肥満(BMI 32)と運動不足が、36歳の卸売業者に著しい負荷をかけている。この種の負荷が長期間に亘り存在するような場合、睡眠をとっても身体が十分に回復しない事が分かる典型例。
慢性ストレスが引き起こす病気や健康上の問題
不眠、疼痛性障害、燃え尽き、うつ、不安、身体表現性障害、摂食障害、
高血圧、冠動脈疾患、過敏性大腸障害、呼吸器障害、免疫病、不妊症、
歯周病など
うつは将来の認知症のリスク要因です
高血圧、冠動脈疾患、過敏性大腸障害、呼吸器障害、免疫病、不妊症、
歯周病など
うつは将来の認知症のリスク要因です
チューンアップする医療
私たちはあなたが最大のパフォーマンスを体感できるようにチューンアップします
従来の医療は故障診断と修理が中心の医療でしたが、私たちが提供する医療は、あなたが最大のパフォーマンスを体感できるようにチューンアップする医療です。
私たち歯科医師と医師が、共にヨーロッパにおける最先端の予防医学と抗加齢医学を習得し、日本に導入しています。
あなたも私たちと一緒にライフスタイルアセスメントに取り組んでみませんか?
ストレスの状態やストレスの回復を客観的に把握し、服薬に至らぬよう、ライフスタイルの改善によって健康長寿を目指しましょう。
なお、このストレス医療は、ドイツに本社を置くYour Prevention社を中心とした世界共通の診療方針に基づき行われています。
本邦においてもストレスチェック制度が導入されましたが、ストレスは今や各国共通の問題となっています。Your Prevention社の特徴は、科学的根拠に基づいた世界共通の診療方針で、投薬を避け、ストレスから継発するエイジングや様々な疾病を予防し、早期に回復させるところにあります。